◆二十八番(藤本なおや議員) 私は、杉並自民議員倶楽部を代表いたしまして、条例修正動議に反対の立場から意見を申し述べます。
 修正動議は、対象事業者などの定義を食料品等販売業の許可を受けた事業所等に限らず、前年度のレジ袋使用枚数が二十万枚以上のすべての事業所等に改めるというものであります。しかし、このような事業所の定義は問題があると言わなければなりません。
 まず第一に、憲法二十二条及び二十九条で認められた経済的自由権を侵害するのではないかという疑義があります。
 すなわち、経済的自由を規制する法律や条例は、厳格かつ合理性の明確な基準が必要であるというのが過去の最高裁判所の判決や憲法学者の通説であります。修正動議による定義では、対象となる事業所などの業種がわからないという点で、議案第七号の原案と比べ明白性と合理性を欠き、行政の裁量権が著しく拡大し、憲法上認められた自由な経済活動を不当に制限することにつながるのではないかとの疑義も生じるおそれがあると考えられます。
 第二に、仮に、修正動議のように前年度のレジ袋使用枚数が二十万枚以上のすべての事業所などに条例を適用しようとした場合、本条例の実効性が確保できなくなるおそれがあるのではないかという疑義もあります。
 すなわち、理事者の説明では、レジ袋の使用の実態に即して、その八割以上を占める食料品販売業の事業所などをレジ袋多量使用事業者として条例の適用対象としたということであります。
 確かにレジ袋を使用している事業者は、食料品販売業のほかにも、衣料品、化粧品小売業、書籍、文房具小売業、スポーツ用品小売業、自動車部品小売業など、さまざまな業種があります。また、個人の肉屋や魚屋も、年間二十万枚以上のレジ袋を使用していれば、条例の適用対象となってくるわけであります。
 修正動議では、こうしたすべての事業所などを同時に対象とすることになります。これは現実的に困難ではないか、かえって条例の実効性が確保されなくなるのではないかと考えられます。さらに、商店街などでは、一般の個人商店や消費者の間で無用の混乱が生じるおそれもあります。
 経済活動におけるこうした混乱を防ぐためにも、理事者が説明するように、条例の適用対象を段階的に拡大していくのが妥当であります。この条例は、第一条の目的規定にもあるように、レジ袋を環境に負荷を与える象徴の一つとして、大量生産、大量消費、大量破棄のライフスタイルを見直していこう、こういったことが大きなねらいであります。そのためには、区民にも事業者にも条例の趣旨がよく理解をされ、条例の実効性がきちんと確保される必要があります。
 以上の理由により、我が会派は修正動議には反対をし、改めて議案第七号について賛成をいたします。